NPOふうどの新発酵槽

埼玉県小川町のNPOふうどが、生ゴミ資源化プラントを新設しました(写真はその概観)。05年11月に旧プラントを閉鎖、05年12月に県から新規プラントの建設許可がおり、工事が始まったのが06年2月、6月にはほぼ完成しています。旧プラントと異なり、農業用地に農業用施設として建設されています。
地域住民が地域の資源を有効に活用し、循環型社会を作っていこうという取り組みは日本各地でありますが、このNPOふうどの取り組みは一つの普及モデルとなりうるものです。
基本的な仕組みは至って簡単で、家庭などからでる生ゴミを回収、その生ゴミをプラントに放り込み、液肥と副産物としてのメタンガスを製造するというものです。そして、液肥は地元の有機農家が使用し、再び地元の人が食する農産物となり、メタンガスは現時点では有効利用しにくいですが将来的には家庭などの熱源としての利用可能性があります。そして、この物質の循環の流れと逆方向に地域通貨をかませていこうというのが将来ビジョンとなります。すでに、伊万里はちがめプランでは一部実践していますが、NPOふうどの場合、有機農家の方が中心のNPOであり、堆肥ではなく液肥生産であることから、少し異なった展開になるかと思われます。
今回のプラントは、APバンクからの借入(400万円)と新たに組んだ市民ファンド(目標150口が230口=460万円集まる:募集期間06年3月5日から5月31日)を原資として建設されています。この発酵槽でできる液肥は制度上、現金で売ることができませんが、副産物販売や諸委託費用などで現金収入を得て10年間で完済する予定となっています。生ゴミの搬入は、一般家庭分(100世帯)は町から委託を受けている株式会社環境サービスが、学校給食(300世帯相当)は学校給食センター(約3,000人分/日配送)が行っています。ただ、地元の工務店で建設でき、維持ができるプラントということもあって、実際に完熟した液肥が安定して生産できるまでには1年ほどかかるそうです。ファンドやプラント自体はほぼ完成していますが、これからは地域社会での資源循環構築のための仕組み作り(個人的にはこれに関わる予定)と二号機プラント建設に向けての活動となるでしょう。

新発酵槽の写真についてはこちらをご覧下さい。