山梨県身延町での現地調査風景(2007年2月)

日蓮宗の久遠寺があることで有名な山梨県南巨摩郡身延町で現在係争中の廃棄物処分場建設と入会権及び赤線・青線に関する問題についての調査のため現地におもむきました。ここでは、北川集落の入会地に一般・産業廃棄物管理型最終処分場を民間業者が建設しようとしたことから、予定地内の共有地の権者の一部である住民などが2001年頃から反対運動を起こしました。山梨県は2006年2月に廃棄物処理法上での設置認可をだす一方で、森林法(林地開発)と砂防法(指定地内行為許可)に関する申請は不許可にしています。また、共有地の使用、青線・赤線の付け替えなど様々な問題が出ており、現在、住民が県に対して、主に安全性に基づく人格権を侵害することを理由に許可の取り消しを求めて提訴しています(他裁判も有り)。

当該集落の入口にでかでかと掲げられている建設推進派の看板。今回、町内を車で走っていても推進派の看板はここでしか見なかった。

建設予定地内の青線にある砂防ダム。すでに土砂で埋まっており、その機能は失われていた。

業者が、予定地内の測量のために打った測量杭があちこちにある。ちなみに表面はほとんど礫で、非常にもろい。

青線の小さな滝。滝の横の岩石には断層が走っているのがよくわかる。

周辺の山は、30年ほど前に造林された痕跡はある。ただ、枝打ちや間伐はそれほど行われず、現在はほぼ放棄された状態である。そのため、竹の浸食も激しい。ちなみに、北川区の共有地は林業公社と分収林契約が交わされ、一方で住民の立ち入りが制限されている。

処分場がもし建設されたら、最終的には写真の電柱ほどの高さまで廃棄物が積み上げられることになる。

旧下部町(現身延町)のあちこちに掲げられている建設反対の看板。のぼり旗もあり、様々な種類がある。特にのぼり旗は、一本1,000円で購入するものであり、それが数多くあるということはそれだけ反対者が多い証拠とも言える。2006年7月20日開かれた反対派集会(提訴報告集会)には900名もの人々が集まった。