日本のフットパスの現況調査について(日本フットパス協会)

 2月8日に日本フットパス協会10周年大会が東京都町田市で開催されました。その大会にあわせて、日本フットパス協会が日本のフットパスの現況を調査することになり、協会から委託を受けて調査を実施しました。
 日本では2000年代初頭に各地で「フットパス」の設置が始まりました。多摩丘陵フットパスや根室フットパスなどが初期の代表的なフットパスです。その後、各地のフットパスの関係者のつながりを強め、フットパスの考え方や活動を広めるために日本フットパス協会が2009年に設立されました。この日本フットパス協会の設立を一つの契機にして、日本各地でフットパスの設置が一気に広がったとも言えるでしょう。ただ、実際にどの程度の広がりがあるのかは正確には把握されていません。協会設立10年という節目を受けて、各地の主要なフットパス団体の協力を仰ぎながら、現況の把握を行いました。
 10周年大会で配布された資料は、おいおい日本フットパス協会のHPかFacebookで公開されるかと思いますので、ここでは結果の概要のみ載せます。今回の現況調査は、オルレやトレイル等は含まれていません。それらを含めた調査は同じ時期に独自に行っていますので、近いうちに論文化して公開するつもりでいます。

<「日本のフットパスの現況調査」について>
日本フットパス協会
令和2年2月8日

○調査要領
①調査対象:令和元年12月時点で次の2条件を満たしているもの。(1) 原則として、名称に「フットパス」という文言が入っている。(2)日本フットパス協会が記している「フットパス」の説明「森林や田園地帯、古い街並みなど地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くこと【Foot】ができる小径(こみち)【Path】」に当てはまる。
②調査方法:日本フットパス協会が対象となる「フットパス」のリストを作成し、対象団体等に対してメールで調査票を送付・回収(インターネット調査)
③回収数:135件
④調査実施期間:令和元年9月18日~令和2年1月23日
⑤調査実施者:泉留維(専修大学経済学部教授)

○調査結果の概要
・団体数
フットパスを設置している団体数は「135」団体。同じ運営団体が複数のフットパスを設置しているケースもあり、純団体数は「123」である。

・コース数
一つのフットパスには、複数のコースが設定されることが多い。全国のコース総数は「580」本。

・距離(km)
フットパスのコースの多くは、3時間以内に歩ける10km未満/本である。全国の総距離は「4278.2」km。

団体数、コース数、距離のすべてにおいて一位が北海道、二位が熊本県である。