北京調査など

 8月、時間銀行(最近は愛心銀行とも呼ぶ)の現状を調べるために、ほぼ10年ぶりぐらいに北京に滞在しました。まだ詳細はつかめていないですが、私が5年ほど前に広州の時間銀行を訪問したときとは違い、社区(日本の自治会と基礎自治体を足して2で割ったような機関)が主催しているものが増えているようです。ただ、どちらかというと南で盛んなようで、北京では数団体しか今のところ確認できていません。
調査の詳細・結果については、もうすこし調査が進んでからまとめようと思っています。
 ちょうど調査に行く直前、北京はオリンピック一年前の行事を盛大に天安門広場でしたそうです。オリンピックに絡み、様々な報道で北京の大気汚染の問題が指摘されていますが、体感的には汚染の度合いは現状ではけっこう深刻でしょうか。写真は、故宮博物院のすぐ北側にある景山公園の丘から撮ったものです。景山公園は、明の最後の皇帝、崇禎帝が李自成の軍に攻められ、首吊り自殺をした木があることで有名。ちょうど、中国では、明の時代の小説やドラマが流行っているせいか、暑い日中でもけっこうな賑わいでした。ただ、とてもよい天気にもかかわらず、上空はスモッグが立ちこめ、見通しが余りよくありませんでした。日差しの中、歩いていると目も少し痛くなるので、光化学スモッグも発生しているかもしれません。北京在住者はとりあえずは大丈夫(慣れか?)のようですが、一時滞在者にとっては結構つらい状況です。
 あと、オリンピック絡みで町中の看板で目立ったのが、「南水北調」関係のものです。南方地域(主に長江)の水を慢性的に水不足である北方地域に送る大規模な輸水路工事で、東線、中央線、西線の3ルートが作られる予定。今でも水不足の北京市には、2008年4月までに中央線第一期工事を完成させ、送水が始まるそうです。その宣伝と節水を呼びかける看板があちこちにありました。来年の北京は、いろいろドラマがありそうですね。
景山公園から故宮を眺める