2023年地域通貨稼働状況調査の結果について

例年実施している地域通貨の稼働調査の結果(速報版)を公開します。この調査は、日本の地域通貨の稼働状況を把握するために、泉留維(専修大学経済学部教授)と中里裕美(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)が定期的に実施しているものです。今回の調査では2023年12月時点で183の稼働中の地域通貨を確認しました。詳しくは、ファイルをご覧ください。なお、今年度は速報版のみ公開となります。

 

地域限定のデジタル交換(決済)についての研究ノート

日本では、2020年を境にして地域限定のデジタル交換(決済)の導入が一気に増えていきました。主にスマートフォンの専用アプリを通じて取引を行うもので、大きく3つのタイプ、転々流通性があるものとして「デジタル地域通貨」、転々流通性がないものとして「デジタル地域決済(商品券)」および「デジタル地域ポイント」に分類することができます。2023年に『オムニ・マネジメント』でも記述しましたが、その後のことも含めて、再整理したもの発行しました。ご興味がありましたら、下記からダウンロード頂ければ幸いです。

地域限定のデジタル取引・決済手段の状況について(2023年末時点)

コロナ禍が始まった2020年を境にして、主としてスマートフォンを用いる地域限定の取引・決済手段の新規導入が一気に増えました。日本では、2018 年、今では代表的なQRコード決済となっているPayPay やd払いが導入されています。大手通信会社が主導して、スマートフォンを用いての決済が導入されることで、多くの店舗においてコード決済ができる端末が置かれるようになり、基盤整備が進んでいたことも背景にあるでしょう。

 

ここでは、地域限定でデジタルで価値の移動(取引・決済等)を行うものについて、デジタル地域通貨、デジタル地域決済システム、デジタル地域ポイントの3つに区分しています。詳細は基準等は「転換点を迎えた地域通貨―デジタル化は必然なのか」にて説明していますが、価値が循環するかどうか、日本円で購入できるかどうか等が、分類基準になります。

2022年地域通貨稼働状況調査の結果について

例年実施している地域通貨の稼働調査の結果(速報版)を公開します。この調査は、日本の地域通貨の稼働状況を把握するために、泉留維(専修大学経済学部教授)と中里裕美(明治大学情報コミュニケーション学部准教授)が定期的に実施しているものです。今回の調査では2022年12月時点で189の稼働中の地域通貨を確認しました。詳しくは、ファイルをご覧ください。なお、今年度は速報版のみ公開となります。

『フットパスによる未来づくり』刊行

 一昨年(2021年)から企画していたフットパスの本が、2023年9月22日に刊行されます。日本では、「フットパス」と名がつく活動は、2000年前後から始まり、今ではフットパスのコースの数は575本、総距離約3,519kmとなっています。各地の市民や自治体などが「フットパス」の設置を行ってきましたが、その実態や現場の想いなどを一冊にまとめたものとなっています。学術的な本ではないですが、読みやすいものとなっていますので、日本のフットパスを歩いてみたい方、フットパスを作ってみたい方、歩行者のためのまちづくりをしたい方など、いろんな方に手に取ってもらえれば幸いです。

『フットパスによる未来づくり』神谷由紀子・泉留維編、日本フットパス協会監修、2023年9月22日出版(水曜社)、2,970円(本体2,700円+税)

2021年地域通貨稼働調査の結果について(詳報)

2021年12月時点での日本の地域通貨の稼働状況についての論文が、2023年3月に出ました。内容は、22年9月の速報版と大きな方向性は変わりませんが、より詳細にデータや分析を掲載しています。2022年12月時点での状況もデータを集め始めていますが、ほぼ間違いなくデジタル地域通貨の稼働数がかなり増加し、新規の地域通貨のほとんどがデジタル地域通貨になっていると思われます。

泉留維・中里裕美(2023)「コロナ禍における日本の地域通貨について―2021年稼働調査から見えてきたもの―」『専修経済学論集』57(3),23-40頁

地域通貨のデジタル化について

日本では、2020年前後から、地域通貨のデジタル化が話題になっていますが、アナログとデジタルでどのような相違があるかなど、研究の蓄積と実践が徐々に進んでいます。今回は、日本の地域通貨のデジタル化の現況について、まとめてみました(2023年5月刊行)。掲載したオムニ・マネジメントは最新号のみ無料で閲覧できるようです。ご興味がありましたら、23年5月下旬までに下記のURLにアクセスしていただければ幸いです。6月以降は、個人的に連絡をいただければ、印刷したもの等をお送りすることはできます。

「木の駅」の論文

木の駅センサスを行ってから、3年近くがたってしましました。その後、いくつか追加の調査を行ってきましたが、やっとその成果の一部を公刊することができました。センサスの結果の一部は紀要ですでに発表していますが、今回はセンサスの結果だけでなく、木の駅サミットやエリア会議に注目し、そのネットワークの拡がりについて分析したものとなっています。オープンアクセスになっていますので、是非、ご一読ください。木の駅の分析については、今後も続けていきます。

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