フィールドトリップ

根室フットパス

「フットパス」とは、本来、イングランドにおいて、レクリエーション等の目的から、土地の所有権とは無関係に人々が「歩く権利(Rights of Way)」を有する道を指す言葉でした。近年、日本では、歩く権利とは関係なく、イングランドのフットパスの一部の機能である「歩きながら地域の特徴や原風景を体感する」という道をフットパスと呼び、北海道などで盛んに市民を中心にして設置する動きが出てきています。その中で、2003年に設置された根室フットパスは、北海道を代表するフットパスの一つと言えるでしょう。根室フットパスは、酪農家集団AB-MOBITという5人からなる酪農家グループが、それぞれの所有する牧場の中に、歩く道を整備することで形成されました。

2008年今治市関前岡村島でのゼミ夏合宿

今年でゼミとしては5回目、個人的には7回目の入島です。今年は台風は来ませんでしたが、猛暑で焼け付くような中での開催となりました。

岡村島は、港の付近の中心部には、2つの宿泊所(公営の農村交流センター(素泊まり一泊3000円)と民営のシー・ガル(素泊まり一泊2700円前後))あり、人数も増えたことから、今年は、両施設を借り切りとなりました。狭いながらも人工ビーチが目の前にあるのが売りですが、シャワールームの狭さと冷蔵庫の故障には毎年泣かされます。特に島外の人を呼び込んでの島の活性化をねらうのなら、もう少し今治市が公営の施設に投資をすべきでしょう。この5年間、その痕跡が全くないです(冷蔵庫が故障しても補充されない)。

○廃油石鹸作り(1日目)

離島が「離島」ではなくなる

 毎年、ゼミの合宿を行っている愛媛県今治市の離島・岡村島が、2008年11月に「離島」ではなくなってしまう(2008年のゼミ合宿の様子はここをクリック)。岡村島は、2005年に今治市と対等合併するまでは、関前村の中心となる島であった。旧関前村は、岡村、大下、小大下の三島からなり、1890年に岡村と大下村が合併してできた村である。江戸時代は、少し意外なことに、対岸の今治藩ではなく、松山藩の領地であった。ちなみに小大下島は、近世までは無人の島で、岡村と大下村の両村入会の地であった(江戸時代から入会紛争は多発していた模様、明治時代以降は石灰岩の採掘が盛んとなる)。

伊東市の温泉財産区

2007年に実施した財産区悉皆調査の結果によれば、2007年3月末時点で、鉱泉地を財産として保有・管理している財産区は、全国に18あった。うち5財産区が設置されているのが静岡県伊東市(人口約7.5万人、面積約124km2)である。伊東市は、主な産業は観光業(温泉と海水浴)と漁業であり、同じく観光業が中心の熱海から電車で約30分ほどで伊東駅に到着する。詳細な伊東市の財産区の温泉資源管理については、廣川氏の「静岡県伊東市の温泉資源管理」『Local Commons』第5号、を参照していただきたい。

足尾銅山と世界遺産

もうかれこれ5年目になりましたが、5月中旬、ゼミ生(2年生のみ)を引き連れて、渡良瀬遊水地と足尾巡り、植林準備のボランティア(足尾に緑を育てる会主催)をしました。昨年と比べて大きな変化があったのは、足尾銅山を世界遺産(適用種別:産業遺産・文化的景観)として登録する活動が本格的に始まったことでしょうか。2007年9月26日に日光市と栃木県が、文化庁に対して、「世界遺産暫定一覧表追加記載提案書」を提出しました。

山梨県の財産区

 ほぼ一年がかりで、ローカル・コモンズの一形態である財産区の悉皆調査を実施していますが、平成の大合併の際、新設された財産区の過半は山梨県にあることがわかりました。そして、その大部分が恩賜県有財産(恩賜林)保護組合が、合併に伴い財産区化したものです。なぜ、財産区化したのかは、アンケート調査ではわからないので、10月、現地で聞き取り調査を実施しました。その結果は、また別の機会のふれるとして、その調査の過程で、恩賜林以外で財産区化したところも訪問しました。

北京調査など

 8月、時間銀行(最近は愛心銀行とも呼ぶ)の現状を調べるために、ほぼ10年ぶりぐらいに北京に滞在しました。まだ詳細はつかめていないですが、私が5年ほど前に広州の時間銀行を訪問したときとは違い、社区(日本の自治会と基礎自治体を足して2で割ったような機関)が主催しているものが増えているようです。ただ、どちらかというと南で盛んなようで、北京では数団体しか今のところ確認できていません。
調査の詳細・結果については、もうすこし調査が進んでからまとめようと思っています。

07年今治市関前岡村島でのゼミ夏合宿

今年でゼミとしては4回目、個人的には6回目の入島です。今年は運が悪く、東京から夜行バスで今治まで移動する日に台風が本州を直撃することになり、当初の予定より一日ずらしての入島となりました。

台風が通り過ぎて、今治市はそこそこ良い天気になりました。岡村島に入る前、今治市の四国側にある第58番札所の仙遊寺に、コーディネーターの島崎さんと一緒に訪れました。ここの宿坊は、セミナー室もあり、一泊6,000円なので、静かなゼミ合宿をするのには良いかもしれません。

今年から今治・岡村間の民間のフェリーが廃止され、市営だけになったそうです。そのため、かなり狭いフェリーしか走っていません。ゼミ生30名が乗ると、けっこう混雑してしまいました。

足尾合宿(2007年度)

毎年5月、新しくゼミに入った学生を引き連れて、足尾銅山煙害・鉱毒事件に関係する場所に行っています。水俣病もしかりですが、生態系の回復をするためには、気の遠くなるような時間と莫大な費用をかける必要があります。それでも完全には戻らず、また人々の記憶から公害のことが薄れるほうが早いのが気にかかるところです。公害は、過去の日本や途上国の問題ではなく、今の日本でも起きている問題です。(写真は大畑沢緑の砂防ゾーンの頂上付近から足尾精錬所を臨んだもの)

 

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