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韃靼旅行記(7):豊満ダム 2002-03-28

韃靼旅行記(7):豊満ダム 2002-03-28 初出『人間の経済』35号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 依蘭で感じた悠久の歴史を噛み締めながら、博物館や新華書店などにより、ハルピンそして長春と車と列車で移動して、吉林省第二の都市、1954年に省都が長春に移されるまでは吉林省人民政府があった吉林に向かった。中国広しといえども、省名を都市名にしているのはここだけである。

韃靼旅行記(6):依蘭にて 2002-02-07

韃靼旅行記(6):依蘭にて 2002-02-07 初出『人間の経済』28号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 依蘭という町は、ハルピンから車でしか行くことができない。特に今回は、厳冬期であるため、道は凍り、雪が降る可能性もある、少しでも危険を減らすために日本製のジープを借り、地元のドライバーを雇った。幸いなことに、ハルピン郊外から延びる高速公路で依蘭まで行くことができる(90元=約1,400円)ので、一応の除雪はされていて、200キロ以上の道のりであるが、3時間強ぐらいで着くことができた。朝9時頃に出発し、依蘭鎮(市街地)に入ったのが、ちょうど13時過ぎであった。

韃靼旅行記(5):炭鉱閉鎖と石炭液化 2002-02-02

韃靼旅行記(5):炭鉱閉鎖と石炭液化 2002-02-02 初出『人間の経済』27号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 昨年11月29日に、九州最後の炭鉱、池島炭鉱(長崎県外海町)が閉山、42年の歴史に幕を下ろした。この閉山で、かつて国内最大の産炭地だった九州からは炭鉱が姿を消した。そして、この1月30日には、国内最後の炭鉱、太平洋炭砿(北海道釧路市)が閉山し、81年余りの歴史に幕を閉じたのだ。

韃靼旅行記(3):東北地方の料理 2002-01-30

韃靼旅行記(3):東北地方の料理 2002-01-30 初出『人間の経済』25号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 中国といえば、世界に名だたる料理大国である。北京料理、四川料理、上海料理、広東料理といえば、知らぬ人はほとんどいないであろう。ただ、今回訪れた中国東北地方には、何か代名詞がつくような世界的に有名な料理はない。また、料理のほとんどが、醤油ベースで作られており、比較的濃い味が多い。好みもあるだろうが、わたしの口に合う料理がけっこう多かったのはうれしかった。海外で口に合わない料理が毎日出ると、これほど閉口することはないものである。

韃靼旅行記(2):偽満州国 2002-01-24

韃靼旅行記(2):偽満州国 2002-01-24 初出『人間の経済』24号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 早朝7時前に、長春の駅に到着した。列車内はスチーム暖房で非常に暖かいが、外はいかがなものであろうか。シベリアほどではないだろうが、氷点下20度の世界へ突入である。十二分に着込んで、列車を降りた。氷点下2、3度で凍えていたわたしにとっては、そもそも氷点下20度の世界を想像するのは難しかった。「息を吐けばその息が凍り、バナナで釘が打てる」なんてバカな考えは、しっかり裏切られた。

韃靼旅行記(1):出発 2002-01-22

韃靼旅行記(1):出発 2002-01-22 初出『人間の経済』23号 ゲゼル研究会

泉留維(いずみるい)

 毛皮とは、まことに人を魅了するものであるらしい。それを追い求める欲望のため、個人、民族、国家までもが、狂乱した。それは、黄金に魅了され南米大陸をスペイン人が蹂躙したことや、北米大陸におけるゴールドラッシュと肩を並べるぐらいのものである。歴史上、多くの人を魅了したものを3つ挙げるとしたら、黄金、絹、毛皮ではないだろうか。

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