都市国家であるシンガポールにも様々なタイプのトレイルがある。個人的に代表的なトレイルを挙げるとしたら、2011年に廃線となった旧マレー鉄道跡を歩くレールコリドー(Rail Corridor)、セントーサ島の北側に面する丘、マウントフェーバー(Mount Faber)麓から始まるサザンリッジ(The Southern Ridges:マラン・トレイルやフェーバー・ウォーク等がある)、マクリッチ貯水池公園(MacRitchie Reservoir Park)内にあるトレイルである。順に近代の歴史遺産を楽しむ、小高い丘からの絶景を楽しむ、熱帯雨林を楽しむトレイルと位置づけることもできよう。
シンガポールおいて数少ないトレイルランニングの適地でもあるのがマクリッチ貯水池公園内にあるトレイルである。週末になると、ウォーカーだけでなく、多くのランナーが押し寄せ、かなりの混雑の模様を示す。1868年に完成したマクリッチ貯水池(当時はトムソン貯水池)は、雨水を集水するもので、水質の悪化を防ぐために周辺は自然豊かな状態が保たれている。現在、公園や園内のトレイルはシンガポール国立公園庁が管理している。このトレイルにアクセスする方法はいろいろあるが、地下鉄からアクセスする方法が旅行者にはもっとも便利である。マクリッチ・ネイチャートレイル(MacRitchie Nature Trail)から、Terentang Trailに入り、吊り橋で有名なTree Top Walk、Sime Track、Golf Link、Lornie Trailと行く周回コース(約12.2km)となる。
写真1:レールコリドーにある旧ブキティマ駅付近の鉄橋
写真2:マウントフェーバーのマーライオン
写真3:マクリッチ貯水池公園の地図
①スタート
MRTサークルライン(黄色)のメリーマウント(Marymount)駅から、自動車道を渡り、住宅地の側の歩道を歩き、高架下を通り抜け、10分ほどで公園の入り口に到着する。前半はひたすら「Tree Top Walk」を目指して歩くことになる。
写真4:公園に至る道(高架下)
写真5:公園の入り口
②トレイル入口
貯水池沿いにネイチャートレイルの入口がある。このトレイルは1993年に開通し、マクリッチ貯水池公園では最初のトレイルとなる。シンガポールではトレイルランニングをできるところは少ないこともあり、とにかく週末になると数多くのランナーを見ることができる。ウォーカーにとっては、ちょっと歩きにくくなる。
写真6:トレイルランナーの一団
③熱帯雨林
未舗装だが、整備は十分にされており、歩きやすい道である。ほとんど高低差がない熱帯林の中を4.5kmほど歩くと、Tree Top Walkの入口になる。入口手前には、レンジャーステーションがあり、トイレやベンチ、給水器などがある。
写真7:未舗装だが整備が行き届いている道
④Tree Top Walk
マクリッチ貯水池公園内のトレイルの中で一番の見所ともいえる吊り橋がある。吊り橋は9時(週末は8時30分)にオープンするので、早く着いた場合は待つ必要がある。ここの道のみ一方通行なので、一度、コースに入ってしまうと戻ることができない。このあたりから、猿が頻繁に出没するようになる。食べ物を与えることは禁止されており、そのため猿から人間に近寄ってくることはほとんど無い。吊り橋は、その名の通り木の高さ(約25m)ぐらいある。かなり揺れるので、高所恐怖症の人は要注意。
写真8:吊り橋
⑤Jelutong Tower
一方通行のTree Top Walkを歩ききると、分岐点に出る。貯水池公園のようなトレイルがあるブキティマ自然保護区(Bukit Timah Nature Reserve)にも行くことができるが、今回は一周することを目指していたので、道標の「via Golf Link」の方向に歩く。少し歩くとJelutong Towerという7層の展望台が見えてくる。
写真9:Jelutong Tower
⑥ゴール
しばらく木道などを歩くと、貯水池の北側に出る。貯水池とゴルフ場の間を通るような道を歩き続けると、きれいに整備された貯水池の南側に出る。花壇やレストランなどがあり、自然公園から一転して都市公園のような趣になる。
道標も十分に整備されており、ほとんど道に迷うことはない。念のため国立公園庁のHPから公園全図をダウンロードしておくのが良い。1時間ほどの休憩時間を入れて4時間ほどで歩くことができる。
https://www.nparks.gov.sg/-/media/nparks-real-content/gardens-parks-and-...
写真10:ゴルフ場沿いの道
2019年3月6日公開
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シンガポール・マクリッチ貯水池公園のトレイル GPX | 110.01 KB |