北海道には数多くのフットパスがありますが、都市部である札幌市内の草分け的なフットパスといえば、太平百合が原フットパスとなるでしょう。太平・百合が原まちづくりセンターが音頭をとって市民たちがフットパスの整備を行い、地域の自然や歴史などを織り交ぜたものになっています。2011年に完成し、主に学園都市線JR百合が原駅を起点とした6コース、計54kmのフットパスとなっています。
フットパス
北海道南幌町には、1896年に開通した北海道四大運河のひとつ「幌向(ほろむい)運河」が流れています。一帯は泥炭湿地帯のため、排水と物資輸送用に建設され、今も排水運河として農業の町を支えています。この南幌町の景観と農業にふれあいながら楽しむために整備されたのが南幌フットパスです。
九州オルレは、九州観光推進機構が中心となり、社団法人済州オルレの指導を受けて整備を進めているフットパスです。韓国の済州島では、2007年から島をほぼ一周する構想でフットパスが設置されてきました。そのフットパスが済州オルレで、そのノウハウ(コース選定方法や標識作りなど)を活かして九州オルレは整備が進められています。
熊本県美里町は江戸時代などに造られた石橋が40近くあり、室町時代から続く棚田があるなど歴史も自然も豊かな中山間地域です。この景観を活用したまちづくりの一環として取り組まれたのが、美里フットパスです。美里町商工会や熊本県宇城地域振興局などが支援し、NPO法人美里NPOホールディングスが、2012年にまず3コースを整備しました。
山梨県甲州市の旧勝沼町内で展開されてきたフットパスが、勝沼フットパスです。甲州ブドウの産地として有名な勝沼は、ブドウ狩り農園やワイナリーが各所に立ち並んでいます。また、戦国期から明治期にかけての名所旧跡も多く、フットパスはブドウ畑を横切りながら、これらのスポットを結ぶ形で設定されています。
落石シーサイドウェイは、北海道根室市の落石駅(JR花咲線)を起点とした2ルート、総延長15.4kmのフットパスです。根室フットパスを運営する酪農家集団AB-MOBITが支援し、落石漁業協同組合と落石地区マリンビジョン協議会が2009年に設置しました。ルート上では、半ば野生化した放牧馬を見ることができたり、ドラマ「北の国から」のロケ地にもなった浜松海岸を通り抜けたりします。
北海道白老町のウヨロ川フットパスは、NPO法人ウヨロ環境トラストによって、2003年に設立されました。ウヨロ環境トラストは、ウヨロ川中流域の2.2haのカラマツ林の所有権を取得し(トラストの森)、当地における森づくりと里山環境の復元を掲げているNPOです。主にウヨロ川に沿いながらトラストの森に至る形で、サケの遡上や産卵も観察できる計14kmに及ぶ2コースが整備されました。
桜が散り間際、鎌倉市に赴き、里道の散策をしました。鎌倉市は、言わずもがなですが、「古都保存法」を誕生させた市でもあり、環境保全を取り組む先駆的な自治体ですが、そもそもは住民の反対運動から政策につながっていくというパターンが観察されます。