一昨年(2021年)から企画していたフットパスの本が、2023年9月22日に刊行されます。日本では、「フットパス」と名がつく活動は、2000年前後から始まり、今ではフットパスのコースの数は575本、総距離約3,519kmとなっています。各地の市民や自治体などが「フットパス」の設置を行ってきましたが、その実態や現場の想いなどを一冊にまとめたものとなっています。
フットパス
2003年から設置が始まった根室フットパスは、根室市の酪農家集団AB-MOBITという5人からなるグループが、行政の手をほとんど借りず、地元産業界の支援を受けながら、主に自らの所有する牧場の中に歩く道を整備することで形成されていった。
東京都町田市を中心としてコースが設定されている多摩丘陵フットパスは、日本でもっとも初期に整備されたフットパスの一つである。町田市内の鉄道の駅周辺はベッドタウンとして開発が早くから進んでいたが、交通の便が比較的良くない多摩(北部)丘陵地帯はあまり開発が進まず、1990年代初めまで豊かな自然環境が残っていた。
北海道根室市にある根室フットパスで、酪農家集団AB-MOBITの協力の下、毎年、ゼミの夏合宿を行っています。2016年の夏合宿では、2015年から整備をしていた旧標津線を歩くフットパス、明郷パスの開通記念イベントを実施しました。根室フットパスの第四のコースとなります。
9月10日から13日にかけて、北海道の根室フットパス( http://www.nemuro-footpath.com
フットパスとは
「フットパス」とは、本来、イングランドにおいて、レクリエーション等の目的から、土地の所有権とは無関係に人々が「歩く権利(Rights of Way)」を有する道を指す言葉でした。近年、日本では、歩く権利とは関係なく、イングランドのフットパスの一部の機能である「歩きながら地域の特徴や原風景を体感する」という道をフットパスと呼ぶようになっています。
熊本県の中心部に位置する宇城地域の山野海川や、歴史的な町並みを歩いて楽しむために整備されたのが、くまもと宇城フットパスです。熊本県宇城地域振興局が資金をだすなどして中心となり、具体的なコースの設定は美里フットパスを整備したNPO法人美里NPOホールディングスが行いました。
北海道黒松内町は、天然記念物「自生北限の歌才ブナ林」を核として、豊かな自然環境と農業を融合させたまち作りを狙っているところです。2004年、当時の黒松内町長が、市民の参加を受けて運営されていた黒松内町まちづくり推進委員会に対して、黒松内町でのフットパス実現についての諮問を行い、これを受けてフットパスの整備・運営を行う体制が構築されていきました。